RSウイルスと母子免疫ワクチン「アブリスボ®」について

東京23区にお住まいの対象妊婦さんは、定期接種(無料)で接種が可能になります。
対象週数:妊娠28週0日 〜 36週6日

RSウイルスとは

生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%が初感染します。症状は鼻水、くしゃみ、咳、呼吸困難など様々です。大人にとっては風邪程度で済むことがほとんどですが、6か月未満の児では重症化しやすく、肺炎、無呼吸、急性脳症などを引き起こします。
日本では、年間12~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、そのうち約4分の1(3万人)が入院を要しています。

RSウイルス感染症に対しては、対症療法が基本であり、有効な治療薬はありません。そのため予防が重要となります。現在、早産児や先天性心疾患など基礎疾患のあるハイリスク児に対してはパリビズマブを接種することで知られています。しかし、RSウイルス感染による乳児の入院は、基礎疾患を持たない正期産児の場合も多く、予防策が必要とされています。

RSウイルスワクチン(アブリスボ®)について

2024年5月31日より日本での製造販売承認を取得しました。
妊娠24~36週(出生までの期間が短い妊娠28~36週の接種の有効性が高くなる可能性が指摘されています)に1回 RSウイルスワクチン(0.5ml)を筋肉注射することにより、RSウイルスに対する抗体が母体で作られます。抗体が胎盤を介して胎児に移行することで、乳幼児に対するRSウイルス感染や重症化を防ぐことができます。

生後6ヵ月までの有効性が検証されていますが、生後6ヵ月以降の有効性は確立していません。また接種後14日以内に出生した児については、移行抗体が十分でない可能性があります。

臨床試験における有効性や安全性に関しては評価されており、非投与群と比較して、報告された有害事象の発現率は同程度であり、安全性の懸念は認められませんでした。
ただし、他ワクチンとの同時接種の可否や日本での接種後の長期的な児の影響など、現時点では不明な点もあります。

接種について

◉ 投与時期:妊娠24~36週頃ですが、当院は妊娠32週以降を推奨します。
◉ 投与方法:筋肉注射(0.5ml)を1回

🏥 定期接種の対象(2026年4月1日〜)
  • 対象週数:妊娠28週0日 〜 36週6日
  • 対象地域:東京23区在住の方

費用

定期接種東京23区在住・対象週数の方
無料
※ 接種時に住所確認書類(保険証など)をご持参ください。
自費接種定期接種対象外の方
31,900円(税込)
※ 妊娠24〜27週6日、37週以降、または23区外にお住まいの方が対象です。

ご注意・予約について

ワクチンに関してご質問がある場合は、次回健診時に医師へ直接ご相談ください。
電話でのご質問は受け付けておりません。
当院で接種希望の方は次回健診時にスタッフへお声がけください。
ワクチンは予約制となります。当日の接種は行っておりませんので事前にご予約をお願いします。

参考資料

日本産婦人科学会    https://www.jsog.or.jp/news/pdf/infection03.pdf
日本小児科学会    https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=559

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