産科

当院は分娩施設はございませんが、セミオープンシステムをご利用の方や、里帰り出産をご希望される方の妊婦健診を承ります。産科用超音波は最上位機種の超音波画像診断装置であるGE Voluson E10を導入しております。

当院でお受けできない妊婦健診

1.双胎妊娠:産科リスクが高いため、双胎妊娠の方は16週までには総合病院に紹介する形となります。

2.里帰り出産の方で、当院の初診が13週6日以降となる方: 当院は里帰り出産の方には全員バックアップ登録をお願いしております。 その手続きの関係上初診の方は必ず13週6日までには当院に転院して下さい。 転居等により妊婦健診の途中で当院への転院をご希望の方は妊婦健診スケジュール関係なく、早いタイミングで一度ご連絡下さい。

3.そのた担当医師が産科リスクが高いと判断した場合: 内科の病気を合併したり、大きな子宮筋腫があったりして、産科リスクが高いと判断した場合は安全を考慮し総合病院にご紹介させて頂きます。

妊娠の可能性がある方へ

生理予定日になっても生理が来ない場合には妊娠の可能性があります。まずは市販されている妊娠検査薬でのチェックをお勧めします。

妊娠検査薬が陽性の方は、生理予定日から1週間ほど経過した時期に受診してください。
この時期になると胎嚢(赤ちゃんの袋)が確認でき、正常な妊娠であることがわかります。受診のタイミングが早すぎると、妊娠の確認ができない可能性があります。その場合は数日後に再度受診していただきます。
※受診のタイミングが遅すぎると、子宮外妊娠などの異常妊娠に気付けず母体を危険にさらすリスクが高くなります。適切な時期に受診しましょう。

妊婦健診

錦糸町駅前とパルコショッピングモール内という利便性の高い医療施設です。わざわざ妊婦健診のため仕事を休む必要はないです。仕事の合間でも、仕事終わってからでも妊婦健診が受けられます。休みの日に妊婦健診受けようとわざと病院にでむかう必要もなく、買い物がてら健診、健診がてら買い物という新しいマタニティライフはいかがでしょうか?

東京都、千葉市、市川市、船橋市の妊婦健康診査補助券がご利用頂けます。それ以外の地域の補助券をお持ちの方でも一度ご相談下さい。

当院で妊婦健診中の方は14週頃から30週まで健診時に3D/4Dを見ることはできます。

里帰り出産、近所の病院出産で当院で妊婦健診をご希望の方へ

分娩予定日が決まったら、まず出産希望の病院に連絡をし分娩予約をしましょう。分娩制限を行っている病院もすくなくありませんので、まず分娩予約をお願いします。出産病院が決まったら、当院で32〜33まで妊婦健診を行い、34週頃からは出産する病院に戻っていただきます。

里帰り出産の方のためのバックアップシステムがあります。

バックアップシステムは、里帰り出産の方が安心して妊娠期間を過ごすためのシステムです。
妊娠期間中は出血や腹痛などの症状がいつ起こるかわかりません。
連携している病院にバックアップシステムの登録していただくことで、夜間や休日など当院の診療時間外であっても心配事の相談や診察が受けられるます。
賛育会病院と愛育病院と東京かつしか赤十字母子医療センターの3つの登録病院から選んでいただきます。
緊急時に受診するため、自宅から近い病院を登録することをお勧めします。

助産師外来

助産師外来とは、助産師が行う妊婦健診・保健指導のことです。

助産師外来は、完全予約制で1人30分の時間をもうけているため、ゆっくりと妊婦健診が受けられます。

妊娠中は色々なことが気になると思います。「妊娠にともなうマイナートラブルについて相談したい」「妊娠中の栄養や食事の取り方、体重のコントロールについて質問したい」など、みなさんが疑問に思っていることを気兼ねなく質問できる場となっています。

また、一人ひとりに合わせたアドバイスや保健指導ができるのも助産師外来のメリットです。

もちろん、妊娠中のことだけでなく、出産や産後の育児のことなど、みなさんが不安に思っていることを気軽にお話ししてください。

セミオープンシステム

セミオープンシステムってなに?

基幹病院とクリニックが連携し、妊婦検診は近くの登録施設で、お産は基幹病院で行うシステムです。現在多くの施設でセミオープンシステムを導入しております。

セミオープンシステムはどんなメリットがあるの?

妊婦健診を自宅や職場に近い登録システムで受けることができます。出産病院への通院が不便でも近くのクリニックでラクラク妊婦健診を受けれらます。

またクリニックがやってない時間帯になにか異常があった場合には基幹病院に連絡し、随時受診することができます。常に情報が共有できるようになってますので、いざとなった時でも安心です。

またセミオープン利用の途中でも産科リスクが高くなった場合には基幹病院での妊婦健診になりますので安心です。

どんな人が利用できるの?

通常リスクの低い方であればどなたでもご利用できます。
基幹病院によってはセミオープン可能な基準が違いますので、当院でセミオープンの妊婦健診をご希望の方はご相談下さい。

どこの病院のセミオープンシステムが利用できるの?

上記セミオープン先以外の病院で出産予定の方でも、出産先病院の許可があれば32週ころまで当院で妊婦健診を行うことは可能です。

胎児精密超音波検査

■担当
順天堂大学准教授・山本 祐華先生(金曜日午前)
院長

通常の妊婦健診となにが違うの?

通常の妊婦健診も胎児を超音波で確認しますが、推定体重、羊水、胎盤といった一般的チェックに留まります。
胎児精密超音波検査は十分時間をかけて、胎児に異常がないかを細かくチェックします。

なぜ胎児超音波検査を受ける必要があるの?

赤ちゃんが奇形をもって産まれることは少なくありません。
小さい奇形も含めるとその頻度は出生して来る新生児の3〜5%にみられると言われています。
多くの奇形は、命に関わるものではありませんが、一部の奇形はいのちに関わり、生まれた直後から厳重な管理を必要とし、出生前胎児診断は非常に重要な役割を示しています。
ただ超音波診断装置が普及した今でも、重篤な胎児異常が出生前に診断されずに分娩に至るケースが少なくありません。
胎児超音波精密検査の目的は「助かる赤ちゃんを助ける、後遺症をできるだけ減らす」ということであります。

胎児超音波精密検査を受けたいけどいつがいいの?

当院では妊娠20~24週頃に検査を実施します。
妊娠20週頃になると胎児もある程度大きくなるため、初期には確認できない細かいところまで診ることができます。
この時期の検査で胎児心奇形を含む形態異常の有無を検索します。
妊娠中に分かる形態異常の80〜90%はこの時期に診断できると言われています。
ただ、胎児の向きや母体の肥満度等条件によっては診断が難しい場合もありますのでご了承下さい。
万が一、赤ちゃんに何かしら病気が見つかりさらに精査が必要と判断した場合は対応可能な大学病院にご紹介します。

また、正常範囲は少し超えたけど、すぐ精査は必要のない所見が見つかる場合もありますが、その時には妊娠28〜30週頃に再度検査します。
その時には別途5,000円の料金が発生いたします。

NIPT、羊水検査を受けて染色体異常はないと言われたからこの検査はいらないの?

NIPTはもちろん、羊水検査で染色体は正常と診断されても胎児精密超音波検査を受ける事をお薦めします。
胎児奇形の中には染色体とは関係のないものがたくさんあります。
染色体は正常だからといって、胎児奇形は全部否定できませんので、少なくとも1回は受けたほうが良いと思います。

検査とその後の流れはどうなの、異常があったら自分で病院を探すの?

当院では最新の超音波機器を用いて、長年大学病院で胎児診断を行った実績を持つ医師が通常の妊婦健診には含まれない細かい部位まで胎児・胎盤・臍帯・羊水・血流を観察します。
胎児異常があり精密検査が必要な場合には当院と連携のある高次医療施設に紹介します。
あかちゃんのご病気によっては元々予定された病院での出産は難しく、周産期センターのある大きい病院への転院をおすすめする事があります。

他院で妊婦健診を受けてるけど、胎児精密超音波検査は受けられるの?

当院妊婦健診の方を優先して検査を行いますが、予約枠があればお受けすることも可能です。
検査希望日の3週間前から電話での予約が可能ですので、お電話にてお問い合わせください。
なお、山本准教授のの診察は金曜日午前中になります。

RSウイルスと母子免疫ワクチン「アブリスボ」について

RSウイルスとは

生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%が初感染します。症状は鼻水、くしゃみ、咳、呼吸困難など様々です。大人にとっては風邪程度で済むことがほとんどですが、6か月未満の児では重症化しやすく、肺炎、無呼吸、急性脳症などを引き起こします。 日本では、年間12~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、そのうち約4分の1(3万人)が入院を要しています。

RSウイルス感染症に対しては、対症療法が基本であり、有効な治療薬はありません。そのため予防が重要となります。現在、早産児や先天性心疾患など基礎疾患のあるハイリスク児に対してはパリビズマブを接種することで知られています。しかし、RSウイルス感染による乳児の入院は、基礎疾患を持たない正期産児の場合も多く、予防策が必要とされています。

RSウイルスワクチン(アブリスボ®)について

2024年5月31日より日本での製造販売承認を取得しました。 妊娠24~36週(出生までの期間が短い妊娠28~36週の接種の有効性が高くなる可能性が指摘されています)に1回 RSウイルスワクチン(0.5ml)を筋肉注射することにより、RS ウイルスに対する抗体が母体で作られます。抗体が胎盤を介して胎児に移行することで、乳幼児に対するRSウイルス感染や重症化を防ぐことができます。

生後6ヵ月までの有効性が検証されていますが、生後6ヵ月以降の有効性は確立していません。また接種後14日以内に出生した児については、移行抗体が十分でない可能性があります。

臨床試験における有効性や安全性に関しては評価されており、非投与群と比較して、報告された有害事象の発現率は同程度であり、安全性の懸念は認められませんでした。 ただし、他ワクチンとの同時接種の可否や日本での接種後の長期的な児の影響など、現時点では不明な点もあります。

◉投与時期:妊娠28週頃
◉投与方法:筋肉注射(0.5ml)を1回
◉費用:31,900円(税込)
※健診とは別日に接種した場合は+再診料1,000円(税込)がかかります

ワクチンに関してご質問がある場合は、次回健診時に医師へ直接ご相談ください。
電話でのご質問は受け付けておりません。
当院で接種希望の方は次回健診時にスタッフへお声がけください。
ワクチンは予約制となります。当日の接種は行っておりませんので事前にご予約をお願いします。

【参考資料】
日本産婦人科学会    https://www.jsog.or.jp/news/pdf/infection03.pdf
日本小児科学会    https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=559