予期せぬ妊娠を防ぐための避妊指導を行います。年齢、ライフスタイルに合わせて、避妊方法を提案します。避妊はすべて自費診療になります。
経口避妊薬のことをピルといいます。
合成された卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つのホルモンが含まれています。
正しく飲めばほぼ100%避妊できます。ただ性感染症の予防はできません、ご注意下さい。
最大の目的は避妊ですが、それ以外にもいろんな優れた効果があります
月経が始まっていれば10代から内服できます。定期的に子宮がん、乳がん検査をうけていれば閉経まで何年でも続けることかできる言われていますが、45歳を過ぎると血栓のリスクがあがるため、当院ではピル処方は45歳前後までとします。ご本人と相談しながらよりリスクが少ない方法へのシフトを提案します。
1日1錠、毎日ほぼ決まった時間に飲みます。
21錠タイプと28錠タイプがありますが、薬成分が入っているのはいずれも21日分のみです。28日タイプの最後の7日分は偽薬ですので、順番を間違えないようにご注意下さい。
●初めて飲む時には生理開始日1〜3日目から1日1錠ほぼ決まった時間に内服します。
きちんと医師の診察受けて正しく服用場合には重症な副作用がおこることはあまりありません。
ピルの重篤なリスクとしてまず静脈血栓塞栓症(VTE)が挙げられます。ただ10代〜40代の女性の血栓発症率は元々とっても低いため、ピル内服により上昇したとしても、その危険度は妊娠中より低いとも言われていますので、過度に心配をする必要もありません。血栓のリスクは使用開始後4ヶ月後以内に多く認められますので、安易に中止、再開を繰り返さないことを勧めます。また一旦中止をした場合にもなるべく3ヶ月以内に再開すると血栓のリスク上昇を下げられます。血栓のリスクは中止後3ヶ月以内には非服用者のレベルまで戻ると言われています。内服中に激しい腹痛、胸痛、呼吸困難、激しい頭痛 視野の障害、意識障害、ふくらはぎの痛み、熱感増加や皮膚の腫脹発赤等があればただちに内服を中止し、連絡下さい!
子宮体がん、卵巣がん、発症率は下げますが、長期投与により子宮頸がんと乳がんのリスクはわずかに上昇するとのデータがでてますので、内服開始前にはこれらの検診をうけていただきます。重症な副作用としては、血栓症、心筋梗塞、脳卒中になるリスクが少し高くなると言われていますが、そのリスクは偏頭痛、高血圧、喫煙女性で上昇します。
飲み始めの頃吐き気を感じる方が多いですが、1〜2ヶ月後にはなれる事が多いです。またピルの種類を変えると良くなる事もありますので、ご相談下さい。
ピルを飲むと太ると思っている方が多いですが、体重増加は関与しない事は科学的に証明されています。
参考文献:日本産科婦人科学会ガイドラインにより抜粋
そこで継続の意向があれば最初は3ヶ月分の処方を行い、最長で6ヶ月分の処方ができます。その後は一年毎副作用チェックの採血と子宮頸がん検診、乳がん検診を行います。
性交後72時間以内にレボノルゲストレル単剤1.5mgを一錠内服します。緊急避妊薬を服用しても妊娠する可能性はありますので、生理予定日7日を過ぎても生理が来ない場合には受診して下さい。緊急避妊薬はあくまで緊急時の一時対応と考えております。通常のピルでの確実な避妊をお薦めします。
緊急避妊薬は性交後時間が経つに連れ効果が弱まりますのでなるべく早い時間に来院してください。受付終了後でも診察時間内であればなるべく対応します。
当院ではレボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)(ミレーナ52mg)を使用します。ピルと同等の高い避妊効果があります。
IUD装着後は位置の確認、脱落や子宮穿孔の有無を確認するため、初回生理後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後そして一年ごとの定期診察をお薦めします。